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まいまいつぶろ

嗚咽を漏らして泣いてしまいました。他人がいるところでは読めないです。8章ありますが、12回くらい泣きました。
それほど家重(長福丸)も忠光(兵庫)も、優しさにあふれた性格で、その二人のやりとりが涙腺を爆破してくるのです。
以下、私的あらすじと感想です…アマゾンのレビューにもあったのですが、山本周五郎さんの泣ける主従が好きな方には絶対刺さると思います(グサグサに刺された人)

長福丸(家重)は生まれながらに麻痺を抱えており、口が回らず筆談もできないため、他人に意思表示ができない。たびたび癇癪を起すが、側仕えの者たちには何を言っているか分からず、困り果てていた。
そんななか、長福丸の言葉が分かる者が現れた。兵庫という少年である。


ここからプレゼンしたいのですが…
家重の言葉が唯一分かる忠光は、常に家重のそばにいて、その言葉を代わりに話すようになります。しかし、周りの人々から見れば「忠光は本当のことを話しているのか?自分が出世するために、嘘をつきはしないか?」と勘繰るわけです。

だがしかし、この忠光という人は誰もが驚くほど善良な人。家重の陰口を言う老中がいても告げ口をせず、自分の心の中だけに止めます。家重に嫌な思いをしてほしくないのです。幼少期は家重の知らないところで泣いていました。

忠光がそこまでするのも、家重の人柄に惚れてのこと。癇癪を起すのは他人に迷惑をかけるのが嫌だっただけだと、忠光によって分かります。家重は風呂に入るのを嫌がって周りを困らせていましたが、忠光が聞くと「今日は尿を我慢できそうにないから、後に入るものに悪い。入りたくない。」との気遣いからだったのです。下の者にも配慮を欠かさない、優しい性格なのでした。

そんな家重を何とか将軍にしたいと、側に仕える人々は苦心します。しかし体が不自由な家重よりも、快活な弟の方を持ち上げる人も多く、苦難が続くのです…

優しさと優しさで成り立っている主従関係、いや大親友、絶対泣いてしまうので皆様ぜひ読んでください!!涙の量が減ってしまうので、ネタバレしたくない!!!!!
私としては、謀略などがない平和な世界に転生して、二人幸せに過ごして欲しい…頼むよ……
オビの「もう一度生まれても、私はこの身体でよい。そなた(忠光)に会えるのならば。」というのは家重の言葉なんですが、来世も忠光に会いたいんだねぇ~~~!!??泣いてしまうよ…もう誰にも代え難い関係性なのよ…

優しい気持ちになりたいときに開きたい一冊になりました。ありがとうございます…!!

いぬのなまえ(菅辺吾郎)

ほの暗い幼なじみ主従です。
攻めの独占欲がよい…受けを虐げつつも、絶対受けのこと好きだろうなと期待しながら読んでしまいました。にっこり。

一滴の嵐

絶版で古本も長いことプレミアがついていたのですが、手に取れそうな値段になっていたので購入…
口コミで「トーマの心臓」などが好きなら気に入ると思います、的な感想をたくさん見かけたので気になっていたのですが、想像以上に素晴らしかったです…!!

田舎の労働階級のエーミール×金髪碧眼美少年貴族ウジェーヌの二人が、クソデカ感情を互いに抱きながら成長するのが主軸です。
その他にも、親子関係や従兄、兄弟、友情などなど…たくさんの要素が詰まっています。
まず寄宿舎音楽学校というところでポイントが高すぎるんですが、ウジェーヌが本当に可愛い…エーミールのことが大好きすぎる。

塚本邦雄全集〈第7巻〉小説(3)

戀 上・下

短歌の解説・短編小説・詩の3点セットがなんと50作品も。
小説もすべて設定が凝られていてすごいです。
下記、小説の内容までは書けませんが、私が読書用につけていた登場人物メモ50作品分です。

★つけてるものはお察しください…
特に好きなものは↓
⑩別戀:兄と妹で同じ男を好きになる。兄が好きな男を独占しててヤバイ。
㉕旅戀:兄弟のように愛していた男と死別、真相を探るべく事故現場に行くと、自分宛てに出されていない手紙が…
㉟寄橋戀:工事現場に実習生として来ていた院生と、現場の副班長のお話。副班長がいい男過ぎて惚れる。幸せになって欲しさは随一。
㊲寄木戀:従兄弟です。従兄に女友達を紹介したらいい感じになってしまい、従兄への恋心に気付く従弟が切なくて…

①初戀
狩野菫介
春菜:姉。三人の子持ち。
志賀:春菜の夫。薬剤師。
高折未紀子:菫介の家庭教師。春菜の級友。
沖津:未紀子の夫。不動産会社社長。
珠藻:娘。

②忍戀
三室(みむろ):挿絵画家。
杉島:元サッカー選手、今は図書館勤め

③聞戀
鹽崎
藻谷渚(なぎさ):鳩の引き取り先夫人。
鍾(あつむ):渚の主人。二年前に亡くなっている。
安食橙子(あじきとうこ):女子大生。

④見戀
九朔(きゅうさく):料理学校教師。(文化史)
深香子(みかこ):女房。料理学校教師。(懐石料理)
鳴尾:友人。料理学校経営者。
若槻夫人:生徒
慧子(けいこ):娘
柿谷:鳴尾の甥。農学部の院生。

⑤尋戀
菅生:家具の商社?の跡取り息子。
太刀掛夫人:「マンション明日香」の住人。
御厨やすら(みくりや):クラブで菅生が出会った女。
神邊:家具メーカー専務。

⑥祈戀
葉室
曜子:付き合いたての恋人
日向:友人
四谷:警官。
初島研作:フィルムを届け出た人。
三輪子:姉。拾った人。

⑦契戀
南條:素人カメラマン。
蔦子:ヌードモデル。

⑧待戀
兄弟は二歳差
欽二:兄姉弟妹に挟まれた真ん中。
聖吉:欽二を溺愛。
翔一(25):長男。口が悪い。理学博士。
十芽子(とめこ):長女。美人。
環:欽二の本当の母。父は産婦人科医。

⑨遇戀
狭山:唯一の独身。

園田
夏井
祝子(のりこ):社長令嬢。
薬師寺桃子:祝子の先輩デザイナー。

⑩別戀★
笹島
松瀬:潔癖。魔法瓶メーカーで笹島とペアの営業。
嶺子:松瀬の妻。兄は笹島・松瀬の友人。
兄は笹島を独占した。

⑪顕戀
蕾太(らいた):アフリカのクオーター
有子
花房:有子の姉の内縁の夫。

⑫稀戀
三人の女のおもいで
眞木和音
吉備遙子(きびえうこ):盲目の少女
田中徳子

⑬絶戀★
吉水珠音:27歳。15歳の時から男手ひとつで育てられた。
眞冬:父。古典調度研究家。
鳥越:眞冬の唯一の弟子兼助手。
眞砂:叔母

⑭恨戀★
混血美少年を養子にし、尻に敷かれてる社長。
飯倉
雪上左吉子(ゆきがみさよこ):あだ名は鱵(さより)。菖蒲アートデザイン工房の企画外交部門。
菊岡:制作部門チーフ
菖蒲昇華:社長

⑮舊戀
淺見結子(ゆふこ)
槇夫:夫。
清洲四帆子:近所。
一重(ひとへ):千鶴の娘。
桐原檣二:四帆子の弟
舷一:兄。結子の元恋人。

⑯暁戀
翔太(24):喘息持ち。女性を前にすると痙攣する。
鎬太(45):父親。
栃原衣繪:バレエ
千鹿(ちか):老婢(年をとった女中)
香澄(かすみ):母
鞠繪

⑰朝戀
眞潮
奈帆子

⑱晝戀
星子(せいこ)
龍田
辰子:龍田の妻、星子の妹。
香鶴(かづ):母

⑲夕戀
息子と娘が恋人、両親同士もできてる
東子(はるこ)
季久:東子の母
柿坂凜
剛:凜の父

⑳夜戀
星山:苑代の兄の友人。
苑代
花崎鴻志:苑代の兄。質屋を継いだ。
喜多道子:親友。

㉑老戀
海阪寓紫奈子
露木六朗:ゴルフクラブのマネージャー

㉒幼戀
鹽川學:主人
新生(あらお):長男
麥子:姉
光(ひかり):妹
遊見子(ゆみこ):鹽川家の隣人。
綺衣子(きえこ):遊見子の母。

㉓遠戀
喬子(けうこ)
六實(むつみ):喬子の従妹。
森上龍視:喬子が好き。
伊倉:六實の夫。

㉔近戀
首藤
千萩:妻。
宮津微幾子(みきこ):向かいの部屋

㉕旅戀★
「よく君の夢を見る。」というのが悲しい。しんどい。
高來曜策
筧:高來が兄弟同様に想っていた。バスの転落事故で亡くなる
菅沼希志:母
景子:娘

㉖寄月戀
「ルナ・ロッサ」
衣巻:作曲家志願、企画・仕入れ担当
鳥越溢子(いつこ):旧姓蒔田。祖父の代から「ルナ・ロッサ」を経営する家系。
朝穂:溢子の夫。顧問。
二井・藤崎・多摩:彫刻家を志す制作担当
北垣・緋紗:俳優修業、売り子

㉗寄雲戀
立花
香矢子(かやこ):立花の妻。
木原悦二:立花の隣家の息子。
壽恵:悦二の母。

㉘寄風戀★
少女だと思ってたら…?!
桃山:砂絵絵師。
満李(まり):妻
美音(みね):娘
壬生玻瑠子(みぶはるこ):弟子志願の少女。

㉙寄雨戀
勝浦:鈍感で変わり者と笑われてしまう。
貫名漾子:勝浦の取引先の社長令嬢。
洸子:姉。
志夏子:母。

㉚寄煙戀
興津
綺羅:興津の妻。
青垣沙羅:妻の妹。
神尾壮途

㉛寄山戀★
女に復讐する二人の男。清原氏(お父さん)がいい人!!
檜垣
諫早
清原敦子

㉜寄海戀
辛崎:獣医
園子:妻
二井:獣医仲間の老人
槇原:島の住人

㉝寄河戀
秋澤創六
佳音子:姉
楢木杉右(すぎすけ):佳音子の夫。
咲代:杉右の妹。

㉞寄關戀
鈴子
初穂:娘

㉟寄橋戀★
古賀:現場監督
首藤:班長
吉備:副班長。優しい。

㊱寄草戀
青柳衣素子(いそこ):女中
大澤銀造:主人
徳代:夫人
八珠子(やすこ):娘
亥助:息子
韮山:俄か顧問弁護士
篠原:八珠子と婚約中の御曹司。

㊲寄木戀★
菅沼克典:父と妾の子。
速人:克典の従兄。
輝一:克典の伯父。(父の兄)
布恵:速人の母。
相馬梢:克典が惚れた歯医者の娘。

㊳寄鳥戀★
三羽ガラス。仲良すぎて彼女ができない。
高尾:銘茶卸問屋
不破:新聞社
三好:スーパーマーケットの事業部
住吉:漆器商の娘
味原:陶磁器店の女秘書

㊴寄獣戀
春菜(はるな)
惠示:春菜の夫。
颯也:息子
凱歌:義弟

㊵寄蟲戀
讃作
葭子(よしこ)
研志(けんし):鳥海家に置き去りにされた養子。
鳥海鮎子:隣人。
清朗:主人。

㊶寄笛戀
牧岡高也:音楽家を夢見ていた
彌矢:高也の妻
鶴代:縞太郎の嫁
鎬太郎:高也の息子
幹一:縞太郎の息子
鋭二:縞太郎の息子
三品:幹一の学校の音楽の先生

㊷寄琴戀
諏訪
牧子;妻
濱名美堊子:牧子の教え子。

㊸寄繪戀
那須諏訪?:画家
眞砂:眼を患っている
浦子:眞砂の妹

㊹寄衣戀
棟上
森子:娘
水上:森子の恋人

㊺寄席戀
星野
瀧上:紙漉き職人
奈緒子:娘
梢一:兄

㊻寄遊女戀
菖子(しょうこ):
六郷:一か月前に出張に来た会社員
根津:居酒屋の主人。

㊼寄傀儡戀
腹話術師の二人。
理沙
加賀
松坂:裏方

㊽寄海人戀
初實(はつみ)
水戸虎生(とらお)
阿彌子:虎生の姉
笹川

㊾寄樵夫戀
葉矢子
室積飛郎
淵上:室積の友人。
綠:高校時代から名うての発展家

㊿寄商人戀
影子(えいこ):歯科医。
河越:影子に劫一を紹介した。
杉坂劫一:話すことが出来ない若者
三杉:影子の相方歯科医

黄昏に獻ず

男色表現あり→檻、陽轉、黄昏に獻ず、赤き雪の主題、鳰、(雄蘂變)、味蕾

黄昏に獻ず、赤き雪の主題、鳰、味蕾が特に好きです!

カニバリズム、主従要素あり。めちゃ怖い。

嵯峨子(さがこ):華晶の娘。
華晶(けしょう):海外旅行から帰ると人が変わってしまい、人の脳みそを食べる絵などを描くようになる。
壬生子(みぶこ):華晶の妻。
刀根(とね):従者。武骨な大男。

陽轉

ワーグナーの衆道の話をする。
ワーグナー詳しくないので出直したいのですが、なぞらえて七座に洗脳される空閑の関係性がお耽美です。

空閑(くが)
七座(ななくら):画廊の支配人。
紫磨子(しまこ):空閑の妻。

木賊刈

タイトル「とくさがり」
死に別れた妻の友人がやってきて、妻の秘密を暴露する。

檣作(しょうさく?):妻と死に別れ、独り暮らしの男。
品野朔子:檣作の家の前の持ち主。
速水文月(はやみふづき):檣作の元妻。亡くなっている。
更級侠右(さらしなきょうすけ):憧れの的。
公文遊岐子(くもんゆきこ):侠右の妻。
松生(まつお):侠右の息子。

昔に霞む

舅×妻ものです。雨の四君子にもあったような。
塚本さんお好きなんですかね、歳の差…

風間高氣:服飾研究家。妻と娘に厳しい。
風間英氣:高氣の父。60歳近いが若々しく、女受けが良い。
伊保子:高氣の妻。舅の英氣に惚れている。
羚子(れいこ):高氣の娘。
檜垣華江:高氣の元を訪れるデザイナーの卵。
夏川環:高氣の秘書的な存在の女性。

黄昏に獻ず

あかね(美女)→馬庭(イケメン)→青磁(美青年)
っていう最高の三角関係…
最後どこがくっつくかはお楽しみ…

雪室あかね(ゆきむろ):姉。スコーピオン。
青磁(せいじ):あかねの弟。タウルス。
葵予子(きよこ):姉弟の母。肺炎で亡くなっている。
馬庭三千輔(まにわみちすけ):姉弟とともに旅をする。父と呼んでいるが、実父かは不明。占い師。サジタリウス。

赤き雪の主題

手紙の形式で、ミステリー調です。
愛憎渦巻いています…男同士あり。

↓愛憎模様がネタバレOKな方は反転してください

鐵之介→さゐ子→沖星→映作←夏那子

*登場人物*
若宮さゐ子
映作:さゐ子の弟。燒津画塾に通っていた。目を患っている。
水島炯太郎:燒津の友人。
燒津沖星:画家で、すでに亡くなっている。
夏那子:燒津の妹。
瓜生鐵之介:さゐ子の恋人?
栗栖曜吉:燒津画塾の塾生。

まゆこもり

又従妹の家で見るお耽美な夢。
スッキリする終わり方。

馨子:「私」の又従妹

果物急ぎ

食べ物についてのお話?と思ったら、最後にどんでん返しが…
カレーのレシピがめちゃくちゃ美味しそう。

醍醐:秋象の同僚。
上牧秋象
千香子:秋象の妻。

有憂宮

女にヒモに仕立てあげられる男の話。
男が頑張って職に就こうとしても、女が裏で手を回している…

蕗澤:転職をしても上手くいかず、自分はダメだと思っている。
錫子(すずこ):ダメな蕗澤に追い打ちをかける。

反唇

妻が同窓会に行っている間、家にキリスト教を布教する女がやってくる。
夫が言い負かしてしまう、スカッとするお話。

明文:夫
敍子(のぶこ):妻
好文:息子。幼くして亡くなってしまった。

藍住が実は夏瀨が好きで、娘の朝江の顔に面影を見てしまい、この親子とは一緒に暮らせない…と思っているところが辛くて好きです。

藍住:布惠子と結婚を一瞬考えたが、思い留まっている。
布惠子:夏瀨に置いて行かれ、藍住と付き合うようになる。
朝江:布惠子と夏瀨の娘。
夏瀨:布惠子とは結婚せず、布惠子と朝江を置いて海外へ行ってしまった。

白馬

四人の兄(春生、夏生、秋生、冬生)に溺愛される、美人な妹(養女)のお話。
養女とはいえ妹にガチ恋するお兄ちゃん、切ないような何というか…
少女マンガみたいな設定で良いですね。

花穂:四人の兄に溺愛されているが、実の兄ではなく父親の友人の娘。
春生、夏生、秋生、冬生:花穂の兄。順番に一歳ずつ違う。
園枝:家政婦

桃夭樂

杏仁(種の中身)ばかり食う、偏食の男の話。

良夜(りょうや):偏食家
華實(かじつ):父
春鳥羽菊繪:良夜の妻。

空中伽藍

祖父と孫だけになった家系のお話。
漢文がたくさん出てきて難しいです…

篠宮龍陽(たつひ)
木兄(きのえ):龍陽の祖父。漢文学の第一人者と言われていた。
萱野(かやの):家事を仕切る嫗

水中斜塔圖

幹生と婚約した比差子、本当は亡くなった幹生の兄・海潮(うしお)が好きだった…
悲しくて怖い。

幹生:実家が牧場の次男。
海潮(うしお):幹生の兄。
比差子:織物で有名。海潮の恋人だったが、海潮が亡くなった後、求婚され幹生と婚約。

靑き菊の主題

初読「長野まゆみの偏愛耽美作品集

火宅搖籃歌

母親に復讐する男の話。

新枝錫也(にいえすずや)
磨璃:錫也の母。
鶴也:錫也の父。

網膜遊行

降旗は他の人には見えてないものが見える。
玉蟲は結婚する前に、愛人を必ず降旗に見せる。
最終的に玉蟲はどんな人を選ぶのか…

降旗喨嚠:眼に病気があり、光がちらつく。
玉蟲二黑:喨嚠の友人で眼科医。

雄蘂變

カッコイイ男の人がたくさん出てくる…!

柿沼
雲井八尋:転職を繰り返し、今度開く茶房について柿沼に相談する。人を懐柔する性格と美貌で、パトロン・パトロネスから資金をもらっている。

味蕾

仲良しな男二人がイチャイチャしている(?)話。
話が合い楽しそうなのですが、コーヒーで舌をやけどした時のシーンが良くてですね…にこ…

會津:保健所の医師。
杉谷:建設事務所の設計士。
どちらも35歳、二人の子がいる。

劇で狼を演じていた美少年に一目ぼれしてしまい、嘘をついても近付こうとする話。

左貴子
冬實:左貴子の友人。
右維子:左貴子の姉。
白根喬太:左貴子が一目ぼれした美少年。

夏至遺文

男色表現あり→受難、蠍の巣、異牀同夢、葡萄鎭魂歌、夏至遺文、霞の館、繪空、放生、二の舞、如月の鞭、鷹の羽違ひ、僧帽筋

特に好きなのは「異牀同夢」「二の舞」「僧帽筋」。「如月の鞭」もいいなぁ。全部いいです。
この収録作品は、後味悪めが多いです。

2023年6月に、河出さんから文庫が復刊となりました。
その際のプレゼンも合わせてどうぞ…!

ミステリー、ホラー寄り。ゾッとします。

受難

江戸時代?長屋者です。
タイトルから分かる通り、キリスト教要素も。
夢か現実かあいまいな幻想的な要素もあり、衆道要素もあり…

蠍の巣

ハムレットをもとにしたお話。
私は不勉強のためハムレットが分からず…勉強して出直します。

異牀同夢

めちゃくちゃ好きです…心中ものでもあると思いますが…

岸南とその後輩・國見は、岸南妻子に内緒で好き合っている。
お正月から似たような夢を見るようになり、やがて内容も全く同じ夢になっていく…

國見くんが岸南さんちに遊びに来た時に、先輩を起こして着替えを眺めていると、真っ赤になって目をそらすシーンが好きすぎてです。その時の岸南さんの男ぶり描写は、塚本さんらしい色気たっぷりのもので最高です!
また、夢が同じになりすぎて、もはや話すのもはばかられ、二人で煙草を吸って見つめ合うだけで通じ合っちゃう描写もまたお耽美で…素晴らしいです。

*登場人物*
岸南(きしなみ):休みはなかなか起きない、だらけた主人。36歳。
眞幸(まさき):岸南の息子。
苳子(ふきこ):岸南の妻。
國見(くにみ):岸南の後輩。28歳。

葡萄鎭魂歌

徹底した女嫌い力雄と、その親友・夏原の話。
力雄の女性嫌いは、母ではなく父と兄が作った弁当しか食べないということから始まり、動物もメスは嫌い、外国語も女性名詞を嫌うなどの徹底ぶり。そんな力雄に情が湧き、友人の夏原はそばを離れなくなる。
ラストシーンは切なく泣けます…

*登場人物*
紺田力雄:徹底した女嫌い。
夏原壮介:付き人のような親友。

夏至遺文

タイトルでお察しですが、ある男が「君」に宛てた遺言状のような形式。
「君」が妹にかけるべき愛の言葉を、「君」は「私」にかけてきた、という一文から方向性が変わります…

霞の館

亡くなった男の視点で書かれる、少しファンタジー要素があるお話。
男は惚れた男のために命を落とすのですが、その惚れていた男も、別の男に縛られ吸い取られ…

繪空

レオナルドダヴィンチのお話。
ダヴィンチのお話なので、必然的に男子の名前がたくさん出るのですが…
お耽美系のお話ではないです。

姉が遊びに出かける際、姉夫婦の家の留守番をする妹視点。
息子が物分かりがいというより、もはや悟りともいえる冷静な子。
その息子には、いろいろ真実がバレていて…

放生

主人と3人の美しい従者の話。
大心中です…

*登場人物*
犀太(さいた):23歳。沐浴や散歩の伴侶。
菜生(さいせい):料理担当、首の太い好漢。
彩介(さいすけ):チェンバロの名手。巨人。27歳。
霞門:主人。29歳。

二の舞

えっち…めちゃくちゃ、えっち…
お医者さん×患者ですって。もうすごい。
言葉遊びでえっちな感じが最高。

如月の鞭

家に突然やってきた鳥猟師と恋に落ちた男の話。
切ないです…
クリスマスイブに男の好きな料理をたくさん買って帰りを待つ主人公、健気すぎて泣ける。

鷹の羽違ひ

姉視点で進む、弟の結婚式前夜のお話。
親の勧めで見合い・婚約したものの、やはり弟は結婚したくないのか帰って来ない。
どうやら好きな男がいるらしい…

弟くんの相手って、教授?ですか…?誰か教えてください…

月落ちて

主人公の男が友人宅を訪ねると、共通の友人だった御影が残した絵暦を見せられる。
実は御影の妻と主人公は、不倫関係にあり…

最後のどんでん返しが衝撃的…

僧帽筋

初読「リテラリーゴシック・イン・ジャパン」。

賓客

母を亡くした娘の話。
可哀想すぎる。

大学に通う主人公と、祖母のお話。
言語学の学会に参加するのに絡めて、名の由来の話をする。

大炊介始末

本当に全人類に読んで欲しい。めちゃくちゃ泣きました…

親子の愛と、主従と、幼なじみの友情と…
短い中にぎゅっと詰まっています。

大炊介のことを尊敬し守りたい兵衛が言った、「若殿の苦しみをお分けください」というセリフが好きで好きで好きで…