猟奇的な短歌を集めた作品集。
青空文庫で読めます。
短い中に世界観が溢れ出ていて、とても良かったです。
お気に入りをいくつか引用させていただきます…
一番に線香を立てに来た奴が
夢野久作, 「猟奇歌」,『夢野久作全集3』, 筑摩書房, 1992 (青空文庫より引用)
俺を…………
………と云うて息を引き取る
若い医者が
夢野久作, 「猟奇歌」,『夢野久作全集3』, 筑摩書房, 1992 (青空文庫より引用)
俺の生命を預かったと云うて
ニヤリと笑ひ腐った
色の白い美しい子を
夢野久作, 「猟奇歌」,『夢野久作全集3』, 筑摩書房, 1992 (青空文庫より引用)
何となくイヂメて見たさに
仲よしになる
誰か一人
夢野久作, 「猟奇歌」,『夢野久作全集3』, 筑摩書房, 1992 (青空文庫より引用)
殺してみたいと思ふ時
君一人かい…………
………と友達が来る
ずつと前殺した友へ
夢野久作, 「猟奇歌」,『夢野久作全集3』, 筑摩書房, 1992 (青空文庫より引用)
根気よく年賀状を出す
愚かなる我
病死した友の代りに返事した
夢野久作, 「猟奇歌」,『夢野久作全集3』, 筑摩書房, 1992 (青空文庫より引用)
先生は知らずに
出勤簿を閉ぢた