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文字が小さいところがありすみません…直し中です。

あほうがらす

「火消しの殿」「元禄色子」「男色武士道」が男色ということで…

特に「元禄色子」は、運命的で相思相愛で思わず涙が出る感動作でした。
これから父親とともに討ち入りに行く運命の少年武士と、かげま茶屋で評判の色子の恋…!!

ゴッホの犬と耳とひまわり

ゴッホのものとみられる文字が書かれた家計簿から、むかしの人々の来歴が紐解かれていく物語。

近年の長野さんの作品を読んでいると、「ゴッホ」「家計簿」と聞いただけでピンとくるかもしれません。
「ゴッホ」は『銀河の通信所』でも語られており、長野さんが敬愛する宮沢賢治との共通点が多い。
「家計簿」については、『あのころのデパート』などで、中原中也がフランスのデパートが配布していた家計簿に日記を書いていたという逸話があります。(その修繕作業の話から、『カルトローレ』が生まれる)
上記のほかにも、近年の長野さんの関心ごとが凝縮され、さらにゴッホの生涯などが追加されて、情報量が多い一冊という印象です。

そして、複雑な家系図…読み進めると人々が繋がっていきます。

以下ネタバレあり。読了後にご覧ください。

登場人物

【小椋家親族】
小椋弥也(はるや):わたし。通称「オグちゃん」。翻訳家。河島の元生徒。画家の母とふたり暮らし。80年代生まれ。
なつみ:妹。「なっちゃん」。商社のアートディレクター
すみれ:弥也の母。
耀(よう):弥也の父。フランス人の養父母に育てられたのでフランス国籍。亡くなっている。→ヨー
ユーリン(雨鈴):弥也の父の母。日本の商社で働く華人。→FruFru。Zの隠し子?
石川:弥也の父の実父。
→姉と弟の子がいて、弟はゴッホくんの前の飼い主。
小椋六郎(ろくろう):弥也の祖父。商社を経営していた。職人の家系。
こま子、ふき子、かな子:六郎の姉。
頭師(ずし)?勒郎(ろくろう):曽祖父。Zと子供時代からの友だち。

【河島家親族】
河島:文化人類学者。80歳。
素子(もとこ):河島の夫人。
海一(かいち):なつみの夫で、海三の従弟。
海三(かいぞう):河島の孫。助手。弥也の高校の同級生。千々和が好き?管理栄養士と調理師の免許を持つ。
種也(かずや):海三の父で、河島の長男。考古学者。
麗(れい):種也の妻。
珠七(みな):河島の三男の一人娘。茶道部。中学生。
周子(しゅうこ):珠七の母。弥也の交際相手。

【その他】
千々和(ちぢわ):若い画家で、書家としても活動。弥也の友人。父が筆跡鑑定師。
T:依頼人の七十代婦人。シジミの母。千々和や海三と気が合う。
Z(城三四/しろかずし):Tの祖父。経済人で翻訳家。
シジミ:古書商の呼び名。四十代くらい。
森口いづみ:資料館に異動した社員。仮名。夫はフランス人の微生物研究者。曽祖父が製本業。
→本名:小森いづみ
小森万里(まさと)、千里(ちさと):Zが留学する際に一緒だった兄妹。兄は画家志望。いづみの曽祖父の弟の子。
鹿内(しかうち):獣医。種也のハンター仲間。
久保:母の教会の奉仕仲間。
シュリ:なつみの友人で、古文書の学位をもつ書店員。祖父が台湾出身。
→祖父は絵本をつくった印刷所を営む

【動物】
ゴッホ:わたしの家の飼い犬。元の名前はアムス。
ドクター:鹿内先生の飼い犬。
アリス:鹿内先生の妹のクリニックの犬。

家系図

いつも以上に自信がないので参考まで…
六郎さんの姉三人は、スペースの都合上まとめさせていただきました。

水仙月の四日

青空文庫で読みました。
雪の子が少年が助かるのを信じて泣くところが好きです。

ネット記事で宮沢賢治がキリスト教を意識しているという解釈を読み、なるほどと思いました。

銀河鉄道の夜

お恥ずかしながら今まで読んだことがなく…
青空文庫で初めて読みました。

想像以上に宗教色が強いように感じました。
そして何だか悲しい…

カムパネルラ版 銀河鉄道の夜

『銀河の通信所』のように、向こう岸の人々とやりとりができるという設定。
今回は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』カムパネルラと通信をし、『銀河鉄道の夜』の細部を語りなおすというもの。

『銀河鉄道の夜』の解釈が深まるとともに、宮沢賢治についても詳しく書かれています。
『銀河の通信所』、『銀河鉄道の夜』(青空文庫にもあり)を読んでから読むと分かりやすいと個人的に思います。

銀河の通信所

宮沢賢治さんにゆかりの人物(作中の人物や実在の人物などさまざま)へ、インタビューを行うという形式の小説。
賢治さんの作品を適宜引用しながら、時代背景などもふまえ語られていきます。本当に詳しく書かれているので、「なるほど」と思いながら読み進めました。論拠を並べ、自説が唱えられているので、論文と小説の中間のような印象を受けます。
※タルホさんの章のみ小説

私はお恥ずかしながら、宮沢賢治さんに触れたことが全くなく…最近ようやく『銀河鉄道の夜』を読んだ程度です。
宮沢賢治さんの生涯は、長野さんのこれまでの作品で少し調べていたので、若干知識ありの状態でした。
なので本作を読むのは難しいのではと思っていたのですが、あらすじや引用があるので大丈夫でした。もっと言えば、これを読んでから作品に触れたほうが分かりやすいかも…

面白かったのは、賢治さんとゴッホさんの共通点について。
また、銀河鉄道の夜の氷山はタイタニック号である、というのも驚きました。

冥途あり

これまでの作品の、いろんな部分が凝縮されたような印象でした。
真帆の父は、長野さんのお父さまに近い経験をされていたり(『八月六日上々天氣』から度々語られている)、昭和の風情や暮らしが静かに描かれている。
嘘か本当か分からない双子というのも、前後の真実と虚構が入り混じった作品群につながると感じます。

真帆(まほ):私
美江子:母
隆仁(たかよし):亡くなった祖父。
久恵:叔母(父の妹)。
梓、真(あずさ、まこと):双子の従弟。
一帆カズホ:兄。
千帆:一帆の娘。
ヒロ:祖父が名ずけ親になった。
鹿島百太郎(ももたろう):祖母の弟。カシマのおじさん。
航(わたる):双子の下の弟。
格之介:双子のどちらかの息子。
雲奈波(ななみ):まるせい湯の女将。
雲天光(そらみつ)/鈴木青一(あおいち):奈波の父親。
シルヴィオ:実家で飼われている仔犬。
清志(きよし):本物の天光の友人の息子。