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黄道遺文

神保町の古書店で購入。限定555部の特装版署名入り(普及版もあるようですので、通販される際はご注意ください)
中身は小冊子×13冊、本編12冊はすべて塚本さんの手書き文字です。
手書き文字だからフリガナが何もないのではと思ったのですが、難読には付されているので、他の単行本が楽しく読める方は大丈夫かと思います!

以下、各作品の登場人物メモです。男色やそれに準ずるものはタイトルの後ろに☆つけてます。
十一月から始まりますが、原作ママです。

十一月 蠍 ☆

男二人でヨーロッパ旅行をしている最中、同行者の笹田は祈祷(恋愛成就と調伏)について話し始める。今も世界のどこかで、あなたを呪っているやつがいるかもしれない…
笹田さんにきゅんときました。

私(香元)
笹田:旅の同行者。既婚。

十二月 射手

十一月の登場人物と同じ?
香元は異常に猟銃を嫌うが、どうやら過去の記憶が関係しているらしい…

私(香元雄大):若い頃は人を振り返らせる美童だった。
笹田岸穂:猟銃を嫌う香元を笑う友人。
慈音:香元と母親が戦時中に身を寄せていたお寺の住職。

一月 山羊 ☆

塚本さんお得意の(?)めちゃモテ神父です。女にも男にもモテる。
病気に架かってしまい、医者の檜垣が面倒をみるが、神父の魅力に心を打たれ…

大月神父(33):無自覚で女も男も虜にしてしまう。
秋篠:神父の信者の一人。
檜垣:秋篠の紹介でやってきた神父の主治医。
眞瀨結策(55):老薬剤師。
李家(りか):「栗鼠(りす)」というあだ名の少女。信者。

二月 水甕 ☆

夫と行くはずだったヨーロッパ旅行へ、夫の甥と行くことになった七重。
甥の景介と楽しい夜を過ごそうとするも…

秋篠希生(まれお)
七重:希生の妻。
景介:希生の甥。高校二年生。
淀:添乗員。男らしい体格

三月 魚

十二月の主人公と名前がそっくりなのですが、家庭環境が全く違うので別人かと思います。
結構胸くそ(誉め言葉)なお話です。

雄太は文通相手の「風祭遊恵」に淡い恋心を抱いていた。雄太の両親が心配し、どんな人物なのか探りを入れる。そんななか、「風祭遊恵」の姉を名乗る人物がやってくる…

香元雄太
遙子:雄太の母。
映像:雄太の父。
風祭遊恵(かざまつりゆゑ):島根在住、雄太の文通相手。姉によると本名「都」。
嘉手納五瀨(かてないつせ):風祭遊恵の姉と名乗る女性。
飛石六束:松江に住む香元家の親戚。
曽我槍作:「雁信会」発案者。

四月 牡羊

百合繪は爽やかでインテリな教師・百濟に憧れ、毛むくじゃらで粗野な兄・道生を毛嫌いしていた。
道生はそんな妹の恋を訝しんでいたが…

笹田道生(みちお)
百合繪:道生の二つ違いの妹。十七歳で亡くなる。
百濟喬士(くだらたかし):百合繪の高校教師。
梢子:道生と百合繪の母。
總和:道生と百合繪の父。
千鳥:道生と百合繪の伯母。
山名:ハウスキーパー

五月 牡牛

おじいちゃんがやり手の武勇伝。
塚本さんお得意の舅×嫁。

鳴海明朗
白圭:祖父
有「」:父。※二文字目が読めず…
千穂:母
叡史:弟
天象:曾祖父

六月 雙子

双子ちゃん可愛いね、という比較的平和なお話です。

青梅星市:呉服屋主人。
桃野:星市の妻。
天爵:星市の息子。
紫磨:天爵の妻。
六根(ろくこん):天爵と紫磨の子、双子の兄。
六義(りくぎ):天爵と紫磨の子、双子の弟。
赤名鳥乃:家政婦。

七月 蟹

シャンソンにうるさかった男が、美しいシャンソン歌手に出会ってしまう。

碓氷永久
埴科夏日:永久の従弟。
露窪公理:永久の伯父。美術評論家で、永久と夏日に教養を植え付ける。
古志愛知:ルネッサンス美術史の専門家。露窪の門弟。
リラ:愛知の妹。シャンソン歌手。

八月 獅子 ☆

犯人が社長にクソデカ感情を抱きすぎて…強い。

猿楽大氣:マネキン会社社長
榊谷紀伊:経理部主任。
翔吉:紀伊の甥で、社員。欧州建築を学んでいた。
若畑高貴:美術を学ぶ学生。
岬彩子:猿楽を慕うデザイナー。
結﨑渚:刺繍作家
呉泉:工場長。

九月 處女

切ない恋愛のお話。桃生さんがカッコ良かった…

伊香保美善:和装本職人。
朝香:美善の妻
満千子:美善の娘
扇井玄:美善の弟子。耳が聴こえない。
桃生飛虎:美善の弟子。片脚を失っている。
蕗原琵琶子:漆工芸家
リッカルド・ヤコビニ:琵琶子の夫
相馬縫子:「玉簾」の女将

十月 天秤 ☆

異母兄弟です・・・本当に良すぎる・・・

弟が異母兄に送った手紙の形式です。
継母に蔑まれていた兄は、弟を恨んでいたが、そんな兄のことを弟は好きだった。兄は自分ではなく、両親を恨めばいいのにと思っている。

弟、お兄ちゃんが悪女に捕まるのが嫌で、自分が付き合っちゃう。
で、お兄ちゃんに勘違いされて嫌われちゃう。すれ違い…つらい…最高…

これの続きどこかにありませんかね?すべての誤解が解けて、異母兄弟で幸せに暮らしてるところが見たい。

(名前なし):知音の異母兄。
知音:弟。
眞菜:兄の母親。兄を産んで亡くなってしまう。
樹枝子:弟の母親。自分の血を分けていない兄を蔑み、弟だけ可愛がる悪女。
水海道(すいかいどう)亜紀:兄の想い人で悪女。

海猫宿舎

少年たちが暮らす海辺の療養所が舞台の、心あたたまるお話です。
少年たちの苦悩に対してのパスカル先生の助言に、大人の私もハッとさせられます。

療養所で最年長のユンクは、本来は四人兄弟の末っ子。でも、クラスのみんなが気持ちよく過ごせるよう、兄のように振る舞う。同じ年のリリンはそれを煙たく思っていて、諍いが怒ってしまう…それで思い悩むユンクの姿が切ないです。
また、ショウマさんを兄のように慕い独占したいと思うけど、みんなに見られないように早起きをして二人きりの時間を楽しむユンク。その控えめな甘えも、とっても可愛いです。

【登場人物】
ユンク:12歳で最年長。背が高い。四人兄弟の末っ子。
リリン:12歳。町に来たばかり。好奇心旺盛。意見を云うのが好き。
ネリ:10歳で、クラス最年少。気弱。声が小さく、アッピ以外は聞き取れない。
アッピ:双子の兄。悧巧。ピアノを弾くのが好き。ネリの言葉が分かる。左利き。
イッパ:双子の弟。アッピとは逆の症状が同時に出る(片方が熱を出すと、片方が真っ蒼)。

パスカル・ジュリアン・アンブローズ(パスカル先生):《海猫宿舎》に新しくやって来た、青い睛の先生。
ヒバ先生:《海猫宿舎》で先生をする町のお医者さん。
ショウマ:ヒバの息子。勉強のために大学へ進学予定。
ホドヤのお爺さん:《海猫宿舎》でストーヴ番をしていたが、亡くなってしまった。
イヴン船長:パスカル先生の傍にいるが、ネリにしか見えない。→ユンクも見えるようになる。ナイルも見えている?

【動物】
ナイル:ショウマが拾ってきた猫。
シリカ:イヴン船長の鳶。
アンケ:人慣れしている片脚の海猫。

最初はネリにしか見えなかったイヴン船長が見えたり、声が聞こえるようになったのは、ユンクが真に耳を傾けられるようになったから?ネリは「最初から声を出していた」と…

Blue Moon(森脇真末味)

長野さんがユリイカの中で「森脇さんの描く少年はいい」とおっしゃってたのを読み、気になってまずはこちらを。
いやいや、何でこんなすごいマンガが眠っているんだ…?!

父親は失踪、母親は入院中、戸籍もない双子の兄弟。
その双子の葛藤、寂しさ、愛、すべてが尊い…
そしてビジュアルも息をのむほどよい。
正統派の美少年たちは前髪が長くてウェーブかかってるイメージですが、あえて短髪で攻める。
でも美しい。これなのか、長野さんの好きな少年は…
想像ですが、有沢さんのビジュアルはこの双子に近い感じあるのでは?特にお兄さん。

そんな双子の養父がいるんですが、こちらも異母兄弟という何とも素晴らしい。
容姿も性格も正反対なんだ。素晴らしい。しんどい。

双子の兄が、男も女も見境なくキスしたり抱いたり抱かれたりしてしまうという、なんとも既視感ですね?
でもそれは寂しさからくるものだし、しかも最終的に弟しか愛してないとか言うんだ…もう頭抱えちまうだろう?

こちらの短編集にも双子が登場します。
こちらの方が前に描かれたのかな?表紙かっこよすぎない?ねぇ?

↓ちなみに、長野さんの好きが分かるのはこのユリイカです。私はもう少し須永さんを勉強してから読みたいと考えています。

宇宙百貨活劇(ペンシルロケット・オペラ)

文庫オリジナルで、初出の際は「鉛筆(ペンシル)ロケットオペラ」。
文庫で改題され、「ことばのブリキ罐」も併録(再録)。

双子が主人公ですが、物語は双子の一人・ミケシュの一人称で進みます。双子ですが、「少年アリス」のアリスと蜜蜂・「天体議会」の銅貨と水蓮のような関係性。容量がよくて大胆な少年と、臆病だけど優しい少年の組み合わせです。
モチーフもキラキラ可愛く、一話ごとが短いので読みやすいです。

【目次】
第一話 ラヂオ星(スタア)探偵社
第二話 ムーンドロップの夜
第三話 アーネスト伯父さん
第四話 スパァクリング星(スタア)
第五話 サン・スゥシ通り
第六話 バターカップ教授
第七話 たくさんの睡る月
第八話 “ピカピカ”の勲章
第九話 スノー・スノー・ボーイ
第十話 パペットの謝肉祭
第十一話 ピーチ・スプラッシュ
第十二話 天色(そらいろ)の卵
第十三話 星の輪サーカス
第十四話 南の国のドロップ
第十五話 月うさぎ

【登場人物】
※どっちが兄かは、両親の意見が分かれる
ロビン:右手が利き手。大胆で要領がいい。寒さに弱い。
ミケシュ:左手が利き手。臆病。

パパ:ラチオ星探偵社
アーネスト伯父さん:ママの兄。

KT:同級
OZオンス:理科倶楽部の仲間

スミスさん:クマみたいな犬を飼っている
バターカップ教授:ママの親戚
クーク:宿直
マッキントッシュ:パパの知り合い。南の島を探検していた。

【キーワード】
ミシン工場の時計塔
ライカ煙草
ムーンドロップ:光る石を入れたソォダ水
ツインタワァ
水蓮

僕のジェミニ(森川侑)

双子、兄弟愛、英国の学校・寄宿舎が好きな方へオススメしたい…
読み終わった後、膝から崩れ落ちて感情のやり場に困りました。

一巻だけですが、その中でも主要三人の生い立ちや、その中で形成された人となり・性格・確執・嫉妬などがちゃんと描かれていて、感情移入できました。

絵も細やかで、背景もまつ毛の先までも描き込まれていて素晴らしいです。装丁も素敵なので、紙での購入推奨です。

個人的には監督生コンビがどうしても気になります。こっちの二人も掘り下げられたい…