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黄道遺文

神保町の古書店で購入。限定555部の特装版署名入り(普及版もあるようですので、通販される際はご注意ください)
中身は小冊子×13冊、本編12冊はすべて塚本さんの手書き文字です。
手書き文字だからフリガナが何もないのではと思ったのですが、難読には付されているので、他の単行本が楽しく読める方は大丈夫かと思います!

以下、各作品の登場人物メモです。男色やそれに準ずるものはタイトルの後ろに☆つけてます。
十一月から始まりますが、原作ママです。

十一月 蠍 ☆

男二人でヨーロッパ旅行をしている最中、同行者の笹田は祈祷(恋愛成就と調伏)について話し始める。今も世界のどこかで、あなたを呪っているやつがいるかもしれない…
笹田さんにきゅんときました。

私(香元)
笹田:旅の同行者。既婚。

十二月 射手

十一月の登場人物と同じ?
香元は異常に猟銃を嫌うが、どうやら過去の記憶が関係しているらしい…

私(香元雄大):若い頃は人を振り返らせる美童だった。
笹田岸穂:猟銃を嫌う香元を笑う友人。
慈音:香元と母親が戦時中に身を寄せていたお寺の住職。

一月 山羊 ☆

塚本さんお得意の(?)めちゃモテ神父です。女にも男にもモテる。
病気に架かってしまい、医者の檜垣が面倒をみるが、神父の魅力に心を打たれ…

大月神父(33):無自覚で女も男も虜にしてしまう。
秋篠:神父の信者の一人。
檜垣:秋篠の紹介でやってきた神父の主治医。
眞瀨結策(55):老薬剤師。
李家(りか):「栗鼠(りす)」というあだ名の少女。信者。

二月 水甕 ☆

夫と行くはずだったヨーロッパ旅行へ、夫の甥と行くことになった七重。
甥の景介と楽しい夜を過ごそうとするも…

秋篠希生(まれお)
七重:希生の妻。
景介:希生の甥。高校二年生。
淀:添乗員。男らしい体格

三月 魚

十二月の主人公と名前がそっくりなのですが、家庭環境が全く違うので別人かと思います。
結構胸くそ(誉め言葉)なお話です。

雄太は文通相手の「風祭遊恵」に淡い恋心を抱いていた。雄太の両親が心配し、どんな人物なのか探りを入れる。そんななか、「風祭遊恵」の姉を名乗る人物がやってくる…

香元雄太
遙子:雄太の母。
映像:雄太の父。
風祭遊恵(かざまつりゆゑ):島根在住、雄太の文通相手。姉によると本名「都」。
嘉手納五瀨(かてないつせ):風祭遊恵の姉と名乗る女性。
飛石六束:松江に住む香元家の親戚。
曽我槍作:「雁信会」発案者。

四月 牡羊

百合繪は爽やかでインテリな教師・百濟に憧れ、毛むくじゃらで粗野な兄・道生を毛嫌いしていた。
道生はそんな妹の恋を訝しんでいたが…

笹田道生(みちお)
百合繪:道生の二つ違いの妹。十七歳で亡くなる。
百濟喬士(くだらたかし):百合繪の高校教師。
梢子:道生と百合繪の母。
總和:道生と百合繪の父。
千鳥:道生と百合繪の伯母。
山名:ハウスキーパー

五月 牡牛

おじいちゃんがやり手の武勇伝。
塚本さんお得意の舅×嫁。

鳴海明朗
白圭:祖父
有「」:父。※二文字目が読めず…
千穂:母
叡史:弟
天象:曾祖父

六月 雙子

双子ちゃん可愛いね、という比較的平和なお話です。

青梅星市:呉服屋主人。
桃野:星市の妻。
天爵:星市の息子。
紫磨:天爵の妻。
六根(ろくこん):天爵と紫磨の子、双子の兄。
六義(りくぎ):天爵と紫磨の子、双子の弟。
赤名鳥乃:家政婦。

七月 蟹

シャンソンにうるさかった男が、美しいシャンソン歌手に出会ってしまう。

碓氷永久
埴科夏日:永久の従弟。
露窪公理:永久の伯父。美術評論家で、永久と夏日に教養を植え付ける。
古志愛知:ルネッサンス美術史の専門家。露窪の門弟。
リラ:愛知の妹。シャンソン歌手。

八月 獅子 ☆

犯人が社長にクソデカ感情を抱きすぎて…強い。

猿楽大氣:マネキン会社社長
榊谷紀伊:経理部主任。
翔吉:紀伊の甥で、社員。欧州建築を学んでいた。
若畑高貴:美術を学ぶ学生。
岬彩子:猿楽を慕うデザイナー。
結﨑渚:刺繍作家
呉泉:工場長。

九月 處女

切ない恋愛のお話。桃生さんがカッコ良かった…

伊香保美善:和装本職人。
朝香:美善の妻
満千子:美善の娘
扇井玄:美善の弟子。耳が聴こえない。
桃生飛虎:美善の弟子。片脚を失っている。
蕗原琵琶子:漆工芸家
リッカルド・ヤコビニ:琵琶子の夫
相馬縫子:「玉簾」の女将

十月 天秤 ☆

異母兄弟です・・・本当に良すぎる・・・

弟が異母兄に送った手紙の形式です。
継母に蔑まれていた兄は、弟を恨んでいたが、そんな兄のことを弟は好きだった。兄は自分ではなく、両親を恨めばいいのにと思っている。

弟、お兄ちゃんが悪女に捕まるのが嫌で、自分が付き合っちゃう。
で、お兄ちゃんに勘違いされて嫌われちゃう。すれ違い…つらい…最高…

これの続きどこかにありませんかね?すべての誤解が解けて、異母兄弟で幸せに暮らしてるところが見たい。

(名前なし):知音の異母兄。
知音:弟。
眞菜:兄の母親。兄を産んで亡くなってしまう。
樹枝子:弟の母親。自分の血を分けていない兄を蔑み、弟だけ可愛がる悪女。
水海道(すいかいどう)亜紀:兄の想い人で悪女。

Blue Moon(森脇真末味)

長野さんがユリイカの中で「森脇さんの描く少年はいい」とおっしゃってたのを読み、気になってまずはこちらを。
いやいや、何でこんなすごいマンガが眠っているんだ…?!

父親は失踪、母親は入院中、戸籍もない双子の兄弟。
その双子の葛藤、寂しさ、愛、すべてが尊い…
そしてビジュアルも息をのむほどよい。
正統派の美少年たちは前髪が長くてウェーブかかってるイメージですが、あえて短髪で攻める。
でも美しい。これなのか、長野さんの好きな少年は…
想像ですが、有沢さんのビジュアルはこの双子に近い感じあるのでは?特にお兄さん。

そんな双子の養父がいるんですが、こちらも異母兄弟という何とも素晴らしい。
容姿も性格も正反対なんだ。素晴らしい。しんどい。

双子の兄が、男も女も見境なくキスしたり抱いたり抱かれたりしてしまうという、なんとも既視感ですね?
でもそれは寂しさからくるものだし、しかも最終的に弟しか愛してないとか言うんだ…もう頭抱えちまうだろう?

こちらの短編集にも双子が登場します。
こちらの方が前に描かれたのかな?表紙かっこよすぎない?ねぇ?

↓ちなみに、長野さんの好きが分かるのはこのユリイカです。私はもう少し須永さんを勉強してから読みたいと考えています。

悪魔の舌

青空文庫で読めます。短めですので、1時間以内に読めるかと。
ですが内容が濃ゆいです…

ネタバレしかできないのでキーワードだけ。
・カニバリズム:人肉を食すシーンがあります
・異母兄弟(兄×弟):兄が妾の子ども、弟が正妻の子どもです。弟が美少年。

こんなの夜に読んだら寝られんですやん(寝られなかった人)

東京少年

東京タワーが見える寺町が舞台の、どこかノスタルジックな一冊です。
私が東京に住んだことがあるので、そう感じるだけかもしれませんが…

個人的には、家族とは何か?という『サマー・キャンプ』に近い主題だと感じています。

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作成中

名前について

東京少年で特徴的なのが“名前”。読めない!!笑
ですが、ただ読めないだけじゃないと思うので、由来を考えてみました。

名前読み方通称
祝 常緑ことぶき ときわロク
祝 朔朗ことぶき さくろうサクラオ
祝 季彦ことぶき としひこ?(カトリ?)
千河 紫ちがわ すみれツノメガワ
連 玄菊むらじ はるあきキク
連 玄藤むらじ はるひさフジ
河村 光かわむら こうヒカル
祝 常緑・朔朗・季彦

まずは祝(ことぶき)家です。
作中で書かれているのは、「季彦」さんは「末息子」という意味。「季」を辞書で引くと、確かにそう書かれています。
とすると、「朔朗」さんの「朔」=一日(ついたち)などの意味があるので、季彦さんと対で長男なのかな?と想像しています。
「常緑」くんの「常」の字はその間を取っている印象ですが、それよりも色の名前である「緑」が意味深な気がします(後述)。
どうやら黒の対の色が緑な気がしています。

また、苗字「祝」。
ロクくんいわく、おめでたい苗字のため反発したい気持ちがあり、色は黒が好きだと。
サクラオもブラックコーヒーが好きだったり、ツノメガワも「あの人はやたらと黒を選ぶ」と言っていました。(それは弱点を抱えた人の無自覚な歪みである、とも)
季彦さんは不明ですが、おそらく好きです。紫さんのことが好きなので。

千河 紫

常緑くんと同様、名前に色の名前が入っています。
紫は黒に近い色で、墨花亭にも濃紫の花が咲いています。紫という色は、「黒」という色が強い意味を持つこの作品でいうと、黒にはなりきれていないけれど近い色、という印象です。
※また、ムック本「三日月少年の作り方」の中で。長野さんが資料のために黒い花をいくつか取り寄せたとのこと。ほとんどが「黒じゃなくて紫・青だ」という印象だったという話からも、紫は黒にはなりきれていないけれど近い色という印象を受けます。

連 玄菊

連姓はもう一人いますが、私の主張のために分けますね…笑
字は違いますが、色の名前「黒」が入っています。玄菊・玄藤しか名前が出てこないので不明ですが、連家代々「玄〇」という名前っぽいですよね。墨花亭の家系です、という感じで分かりやすいです。


いったんここでまとめたいのですが、親世代(朔朗、紫、玄菊)の関係性と名前について。

・祝家:黒色が好き
・紫:黒にはなりきれていないけれど近い色
・黒=玄

朔朗さん、キクのためを思ってツノメガワと結婚するわけですが、情が移ると思ったらうまくできない。
紫は黒に近い色だけれども、真に黒ではない。やっぱり黒=玄菊がいい。
そういう運命だったのではないかと…

ツノメガワが大叔母を装ってロクに会いに来た際、あの人は何かと黒を選ぶのよね(それがサクラオの歪み)という言葉は、
黒に近い紫である自分は選んでくれず、真に黒の玄菊のことしか見てないの、と考えると切ないです。


河村 光・連 玄藤

「玄藤」はまぁ、「玄菊」の弟と分かるような名前であることは分かりますが、「光」とは?と考えると…

光源氏と藤壺?

ヒカルとフジの関係性を、光源氏と藤壺に当てはめますとですね。また違った趣がありますね。
サクラオに好き合ってはいけないと言われているけど、内緒で逢瀬を重ねている…?


色について

名前の話でも出ましたが、象徴的なのが「色」です。
この部分はまだ考えが深まってないので、メモ程度に書きます…

作中では、黒(紫も含む)と緑が良く出てきます。

黒(≒紫) ⇔ 緑

名前にも使われているので象徴的ですね。

①ツノメガワが着ている服

ツノメガワさん、何度か衣替えをして登場します。印象的なのが下記。

・萌黄色の着物
叔父さんの母親を装ってロクを訪ねてきたとき。萌黄色≒緑の着物。

・藤紫の洋装
最後、ホテルで話し合いをする時。

※ちなみに、墨花亭の奥様(キクの母親)は薄紫の着物を着ています。

②飲み物

よく登場するのが、コーヒーと緑茶。
コーヒー=黒とすると、対になっている印象です。

・サクラオも叔父さんもコーヒーが好き
・ツノメガワが叔父さんの母親を装って訪ねてきたとき、ロクは緑茶がいいと思いながらコーヒーを出す
・河惣の二階で父といる時、ロクは熱い緑茶を淹れる=落ち着くための儀式

まだまとまってないので、だから何という感じですが…
コーヒーの飲み方(サクラオはブラックしか飲まないなど)も意味深なのですが、またいつか考えたいです。


親世代について

結局、朔朗・紫・玄菊と季彦って何があったんだ、
というのがこの物語の謎なわけですが…

以下個人的見解です。違うかもしれませんが、各々考えるのが東京少年の魅力ということで。

年齢

まず4人の年齢について。
計算ミスってたら恥ずかしいのでこっそり教えてください…

作中では、6月6日にロクが14歳で、3月に季彦が32~33歳になったとあります。
また、紫は(大叔母のふりをしていた時ですが)季彦と3歳違いと言っており、そのまま受け取ると35~36歳。
→21歳頃にロクを生んだ計算。このとき朔朗もまだ学生だった、とあるので朔朗・紫・玄菊は同級生かと。

ここから諸々逆算していきます。

年齢学年出来事
16歳高校1-2年キクとサクラオがバイク事故=そこから疎遠
20歳大学2-3年キクのところにツノメガワが黒椿を持っていくはずだった
サクラオとツノメガワが結婚
21歳頃大学3-4年ツノメガワが妊娠・出産
※そのとき季彦は18歳くらい
35-6歳ロク14歳、親権争いで4人再集結

キクは「十数年ぶりに日本に帰ってきた」とありますので、大学を卒業して官庁の研究員になってから、ずっと海外にいたようです。
サクラオとは、空港で偶然会った時に立ち話するくらい。
なんか…切なくて泣けませんか…キク、ずっと罪を背負いながら海外で独りだったん…⁇

朔朗と紫の結婚経緯

キクとツノメガワは、もともと親同士(紫は両親が早くに亡くなっているので後見人)が結婚させようとしていた。
そのことに対して、3人がそれぞれ想いを持っていた。

キク:自分は親の決めた相手と結婚したくないけど、従うことがサクラオへの償いになると思っている
サクラオ:キクが自分をないがしろにする態度が気に食わないので、キクを自由にするためにツノメガワに近付く。
ツノメガワ:養父母が決めた相手とは結婚したくないので、断る口実としてサクラオと結ばれたフリ

ツノメガワはおそらく、最初からサクラオとキクが好き合っていると気付いていたわけですが、二人が素直になるのを待っていた。
でも意地になってるんで、それならばと子供が欲しいとサクラオに強要する(サクラオのことが好きになっていたこともあり)
でもサクラオは先天的に種が少ないので、誰かに頼むしかない。
→知らない誰かに頼むより、信頼できる祝の血筋に頼もう
→仲の良い従弟の季彦だ(東京にいるし!!)

季彦さんはまだ未成年(18~19歳)だったと思うので、従兄さんそれはちょっと…という感じですが、
季彦さんも家に突然やってきた美しい女性に一目ぼれしていた可能性もあります。
そうするとまた切ない話になりますね…好きな女性の子供なら、自分で育てられなくても欲しかったのかな…

サクラオは事故の罪の意識からキクを解放するため、決定的に突き放す機会を探していた。
→生まれた子供に連家特有の旋毛があるのを発見し、暴言を吐き当たり散らす。

キクとサクラオは40歳手前になった今でも、紫に消しかけられるくらいお互いが好きなわけで、こんな別れ方は辛かっただろうなと思います…
サクラオは人生の唯一の後悔が、キクへの暴言なんて。なんてこと…

紫の旋毛とKatori

最後、紫さんにも若い頃旋毛があったことが発覚します。連の血が入っているのだろうか…⁇自然と消えるので、単に紫さんの家系特有のものかも?

紫さんの旋毛=蚊取り線香と呼ばれており、どうやらこれが「Katori」の由来らしいですが…
「Katori」の正体は明かされませんが、季彦さんの説が濃厚です。
(フジの家に季彦さんから預かった『花の譜』のバックナンバーがあった、など)
何でKatoriにしたのか、紫さんのことめちゃくちゃ好きすぎてとかだったらいいなぁ(願望)

結局ロクの父親って誰なんだ~ってなりますが、血のつながりよりも心で繋がっている父親・サクラオが、ロクくんの父親だよ、ということをツノメガワさんは言いたかったんじゃないかなと思います。サクラオのミルクしか飲まないし。
あと、世間体に縛られず、好きな人と一緒にいようねという。ロクとサクラオもそうだし、サクラオとキクも。最後はロクくんが墨花亭に住むようになったようですし、パパ二人と息子一人の三人家族で末永く幸せに暮らしてほしいものです。

その他の謎

作成中
・フジの指輪

白昼堂々シリーズ(凜一シリーズ)

凜一を主人公とする、連作シリーズです。全四巻で、すべてお話が繋がっています。集英社やその他書籍紹介では、「凜一シリーズ」と記載されていますが、公式HP・耳猫風信社では「白昼堂々series」と書かれていますので、シリーズの呼び方は様々なようです。とりあえず、公式HPの呼び方でいこうと思います。

主軸は凜一と氷川の恋愛ですが、他の登場人物もいろいろと抱えており、少年・青年の葛藤と成長の物語だと感じています。何回読んでも面白いので、ぜひ読んでください…
特に読み込んでいる作品なので、考察めいたものは別ページにします。

シリーズの順番

①白昼堂々

1976年~1977年:凜一中学三年冬~高等部進学秋

②碧空(おをぞら)

1978年:凜一高等部二年五月~夏

③彼等

1979年:凜一高等部三年五月~夏

④若葉のこ

1981年:凜一K大二年晩春~初夏

登場人物

名前のある人物のみ。個人的に気になった要素もメモっています。

★原岡 凜一(はるおか りんいち)
 中高一領学園→K大/幼い時に両親を失くし、祖母と二人暮らし。祖母は華道の古い流派・天海地(たかち)流の家元で、自身も師範。
 左利き/苹果が好き/方向音痴/慢性気管支炎

・氷川 享介(ひかわ きょうすけ)
 東和二高→明倫館大/高校、大学とフットボール部の主力QBとして活躍。2つ違いの兄がいたが、兄が中学生になってすぐに亡くなってしまう。凜一の従姉の省子とは、小学校からの付き合い。右利きだが、左も使える。

★☆小椋 千尋(おぐら ちひろ)
 中高一領学園→K大→明倫館大の英文学教師・和紙の卸問屋/凜一の母方の叔父だが、10歳差なので「兄さん」と呼んでいる。鎌倉が生家だが、京都の大学進学までの6年間を原岡家で過ごしたため、凜一とは兄弟のような関係。

☆小椋 正午(おぐら まひる)
 鎌倉の男子校→京都の大学/凜一と一つ違いの従弟。茶道の家系に生まれ稽古中。蛾や蝶が苦手。凜一と同じで気管支炎を起こしやすい。

☆小椋 暁方(おぐら あきを)
 鎌倉の男子校→K大/凜一の従兄、正午の五つ違いの兄。フットボール部のWRとして活躍のかたわら、茶道の若先生として茶会にも出席。

☆小椋 十時(おぐら とき)
 横浜の大学の文学部教授/正午・暁方の父。千尋とは一回り以上離れた兄。

・有沢 改(ありさわ かい)
 一領学園高等部編入→アメリカの州立工科大/凜一の一つ上の先輩。不思議な写真を撮る。心臓に病を抱えている。両親は有沢が生まれた時に離婚しており、父は北米に住む医者で主治医。母の姓は成島(なるしま)。

★英 千迅(はなぶさ ちはや)
 K大(医学部から理学部へ転部)→K大理学修士→ハイヤー運転手/凜一の祖父の庶子=千尋の異母兄で、養子先の英姓を名乗っている。凜一の父の直弟子で、天海地流の教授格。伊達眼鏡。

★原岡 省子(はるおか しょうこ)
 凜一と一つ違いの従姉。母親は天海地流の経理担当をしている。父親は原岡の家へ婿養子に来たため、苗字は原岡。

★原岡 晟(はるおか あきら)
 一領学園→K大/凜一の父。心臓が弱く、凜一が八歳の時に亡くなっている。右利き。

・原岡 百合(はるおか ゆり)
 旧姓小椋。凜一の母。

・藤沢 涼子(りょうこ)
 東和二高→東和大/フットボール部のマネージャー。

・内藤
 東和二高/フットボール部のオフェンスライン。

・真部 久穂(まなべ ひさお)
 明倫館大/フットボール部のマネージャー。

・氷川 啓介(ひかわ けいすけ)
 明倫館付属中/享介の兄。心臓が弱く、13歳で亡くなる。もとは左利きだったようだが、右も使える。

・立河(たてかわ)
 明倫館中→K大/啓介の二つ上の先輩。

・小椋 日菜(おぐら かな)
 旧姓深見。千尋の妻。

・小椋 史野(おぐら しの)
 千尋と日菜の娘。

・沢村 崇史(さわむら たかし)
 正午が通う男子校の教師。フットボール部の顧問。

・江島 黎一(えじま れいいち)
 K大医学部→竹雄の医院/千迅の二つ上、高校・大学が一緒。

・江島 響一(えじま きょういち)
 黎一の弟で、千迅の同級生。海釣りの最中に波にさらわれてしまい、中学の時に亡くなっている。

★江島 菱一(えじま りょういち)
 K大附属病院→竹雄の医院/黎一の父。千迅は「大(おお)先生」と呼ぶ。K大で凜一の父と知り合い、天海地流門下となり、師範の資格をもつ。

・美奈子(みなこ)
 黎一の妻。

家系図

年表

算数を間違いがちなので、おかしいところあれば教えてください…
※凜一は早生まれ、氷川さんはおそらく9月生まれ、その他不明なので早生まれではないと仮定しています。


193?年:晟生まれる。
1941年?:百合生まれる。
194?年:千迅生まれる。
1951年?:千尋生まれる。
195?年:千迅・千尋・百合で於じまに泊まる。千迅8歳頃。
195?年:晟が高校生の時、家元が百合を婚約者と決める。
1957年?:暁方・啓介生まれる。
1959年:氷川・省子生まれる。
19??年:晟が大学を卒業、百合と結婚。
1960年:有沢さん生まれる。両親が仲違い。
1962年:凜一・正午生まれる。
1963年:凜一が1歳の誕生日の時に、両親とともに写真を撮る。
1963年:百合が亡くなる。凜一1歳半。
1964年?:千尋が中学進学・御殿山へ家出。
196?年:千尋が晟の再婚話の邪魔をする。
196?年:(上記2年後)晟にバレる。
1970年?:千尋がK大に進学、京都へ。
1970年5月:晟が凜一を連れて京都へ行く。
1970年6月:啓介が13歳で亡くなる。
1970年夏:千迅が黎一と旅に出る。
1970年秋:晟が30代で亡くなる。凜一8歳。
1970年9月末:千迅が千尋を連れて黎一を訪ねる。
1972年:享介、母親に兄と間違えられる。
1975年:凜一が池畔の家で千迅に逢う。凜一13歳。
1975年夏:凜一が池畔の家で千迅と肌を合わせる。
1976年:晟の七回忌。
1976年夏:凜一が千尋の池畔の家へ二週間泊まる。
1976年秋:千尋が御殿山を出禁になる。
1976年冬:『白昼堂々』スタート。凜一14歳・中3。
1977年春:千尋の謹慎が解ける。凜一15歳・高1。
1977年?:正午が養子に出されると告げられる。15歳。
1978年:氷川が明倫館大へ進学。
1978年5月:『碧空』スタート。凜一16歳・高2。
1978年5月半ば:凜一が有沢と出会う。
1978年5月?:正午が家出。
1978年6月下旬:千尋の披露宴。
1978年8月:有沢さんがアメリカへ発つ。
1978年8月?:有沢さん3回目の手術
1978年:江島の披露宴。(千迅と3年ぶりに逢ったことから逆算)
1979年4月:正午が高2に進級、理系の特進クラスへ。先輩に目を付けられる。
1979年4月:省子が大学の工業デザイン科に進む。
1979年5月:正午が連休中に先輩の家へ泊りに行く。
1979年5月:『彼等』スタート。凜一17歳・高3。
1979年7月:正午が一領学園への編入試験に合格。
1979年8月:暁方がアメリカへ発つ。
1979年:有沢さん復学。
1980年1月:史野が生まれる。
1980年春:凜一がK大へ進学。京都の池畔の家で暮らし始める。
1980年秋:有沢さんが州立の工科大へ進学。
1981年春:正午が京都の大学へ進学、凜一と暮らし始める。
1981年春:『若葉のころ』スタート。凜一19歳・大2。

『若葉のころ』の曜日:若葉は1週間くらいのお話なので、整理してみます。
?:午前中に有沢が訪ねてくる、凜一は授業後にメギを持って千尋を訪ねる、夜は正午も有沢も花見
?:氷川が家に来て「木曜日会おう」と約束する、有沢は舘教授に呼ばれる
~数日空く~
水:千迅が京都へ来て、凜一と於じまへ泊る
木:凜一が朝に氷川と会う、その後千迅と竹雄へ
金:竹雄から京都へ移動
土:有沢が凜一に逢いに来る
日:凜一が家元からの手紙を受け取る、氷川が家へ来る

MAP

地図は手書きのため、縮尺がおかしくてすみません…
路線は現在のもので、作中当時と同じかは調べられていません。

東京(関東)

【都内】
・九段 第一美術館:凜一が省子になりすました美術館。江戸城跡の近く。→東京国立近代美術館?
・連行寺:氷川が省子との待ち合わせに指定した駅。→無さそうですが、文京区に連光寺がありました。
・御殿山:凜一の実家・一紺亭がある。近くに恩賜公園、西原高校(氷川のFBの試合があった学校)がある。→後書きや位置関係から、井の頭公園(吉祥寺)と考える。井の頭公園内に「御殿山」があり、そこを駅と考えると、東に池がある(彼等より)のも合致。白昼で省子が逃げた西園も園内に。井の頭公園のHPにマップがあり、御殿山・池・西園の位置関係が分かります。
 ※凜一と有沢さんがエゴノキを見た小学校:御殿山から二駅、そこからバスで四つ目の停留所→実在するかは不明
・新宿:氷川と凜一が乗り換える。
・杉並区:氷川の高校と実家=永福がある。
・四ツ谷:氷川が通う予備校がある。
・銀座:凜一が花を挿けに行った美豆木(みずき)画廊がある。交詢社通りと並木通りが交叉したところ。
 ※「白昼堂々」で、銀座から凜一・氷川の家へ帰るシーンについて:銀座から凜一・氷川・省子の三人で帰る際、凜一と省子は四ツ谷で乗り換え、氷川は新宿まで乗って私鉄に乗り換えでした。氷川を引きとめない凜一に省子は苛立ちます。御殿山経由でも氷川の実家・永福へ帰れる。→銀座から丸の内線で来た場合、凜一と省子は四ツ谷で中央線に乗り換え、氷川は丸の内線で新宿まで行き、京王線に乗り換えたと思われます。氷川の家・永福町は新宿から京王線に乗り、井の頭線に乗り換えて一駅が最短ですが、御殿山≒吉祥寺から逆方向の井の頭線に乗れば帰ることができる、という意味ではないかと考えます。
・下連雀:省子の実家。→三鷹市の地名。吉祥寺の先にあるので、御殿山≒吉祥寺とすると近い。
・本宿:有沢の母方の実家。→府中市の地名。有沢は「御殿山と同じ方向」と云っていますから、この辺りと思います。
・白山:家元と伯母が出かけた。→文京区の地名。
・高井戸:千迅さんが住んでいる。
・御茶ノ水:省子が画材を買う。
・代々木:凜一が模擬試験を受ける。

【その他関東】
・龍安寺:原岡の菩提寺。山の中にある。→山の中ではなさそうだが、川崎に同名のお寺がある。吉祥寺からすごく遠いわけではないが、河を越える必要が…
・万瑞院:茶会が開かれた鎌倉のお寺。→これは不明です。
・成田空港:有沢がアメリカへ行く際に飛行機に乗る。
・小椋家:鎌倉でうっそうとした緑に囲まれている。どのあたりかは不明…
・箱根:原岡家が贔屓にする宿がある。

京都

K大=京大、明倫館=立命館としています。

【千尋の下宿近くの神社】
白昼堂々にて、凜一と晟が千尋の下宿近辺を訪れた時の道と、氷川が凜一を追ったシーンについて考えてみます。
・千尋の学生時代の下宿:凜一は「銀閣寺から若王子橋へ抜ける道と、白川通の間」と云っています。哲学の道と白川通の間、上図で囲ったあたりではないでしょうか。
・凜一が父親と訪れた神社:「大豊神社」と思います。公式HPページがありますので、Googleマップと合わせて見ると分かりやすいです。凜一が語る神社の特徴は下記。
 ①脇社に猿と鳥の像がある→神社内の「愛宕社」は鳶を、「日吉社」は猿の像があり合致。
 ②シダが繁茂→HPの「大国社」の後ろにはシダのような植物が見えます。
 ③疎水の小さな橋を渡る→大豊橋という小さな橋が疎水に架かっています。神社はその奥。
 ④藪椿が生えている→HPには椿の画像も。
氷川さんが追ってきたルートからも確認してみます。氷川さんが千尋さんに伝えたのは下記。
 ①岡崎方面
 ②文殊堂あたり→金戒光明寺のこと?文殊菩薩を祀っている、くろ谷のお寺。
 ③黒谷の緑地で氷川が降りる→金戒光明寺のあたりだとすると、大豊神社まで歩いて15分程度。
凜一がタクシーでやってきたルートは、K大附属病院から通り(大きいのは丸太町通?)を進んで疎水に突き当たるルート。病院から東へ通りを行くと疎水に突き当たり、ちょうど大豊神社あたりになります。

【池畔の家】
千尋が以前住んでおり、その後凜一と正午が住んでいる家。ムックに「深泥池(みぞろがいけ)」と明言されていますので、これは確定です。
作中では、上賀茂の山裾に続き、突き当りの一軒家とあります。

【暁方の下宿】
K大のグラウンド脇の疎水に沿って歩き、それが途絶えた勾配の石段を上ったところにあるとのこと。言われた通りに疎水沿いをGoogleマップで南下すると、疎水が途切れて数段の石段が現れます。そのあたりでしょうか?

【氷川の下宿】
上図内に印した「紫野大徳寺町」あたりではないかと考えます。氷川の下宿先の特徴は下記。
 ①明倫館近く→校舎は徒歩で30分ほど。近いと言えば近い…?
 ②塔頭が点在する寺町→塔頭が点在するかは確認できませんでした…
 ③凜一の家=深泥池と氷川の下宿の中間地点が賀茂川になる→この位置は良い感じです。
 ④斜向かいに緑地→いくつか公園があるので見ましたが、「碧空」の扉絵にピッタリな公園は無く…

【凜一と氷川がキスした橋】
「彼等」で二人はどこでキスしたのか考えてみます。
まずは凜一が独りで歩いたルート。
 府立植物園の正門→賀茂川沿いを歩く→氷川に出会う
氷川と合流し、そのまま賀茂川沿いを歩きます。止まってキスをしたあたりの特徴は下記。
 二つの川の合流地点、東山まで三駅→高野川との合流地点の「出町柳」駅から乗れば、京阪本線で三条まで二駅、三条京阪で地下鉄に乗り換えて東山まで一駅の計三駅。「出町柳」のすぐ近く、賀茂川に架かる橋は「出町橋」ですので、これではないかと思います。

【啓介の墓、中学校】
啓介は「深谷」の「清厳寺」で眠るとあり、通っていた明倫館の附属中学校も深谷とのこと。
清厳寺は実在しないお寺のようですので、深谷で検索すると「深谷町」という地名はあり、愛宕念仏寺というお寺もあります。だいぶ山の中でお寺のイメージとしてはいいのですが、中学校が付近にありそうかと言われると微妙です…
条件が揃わないので、地図には含めませんでした。

【於じま】
最寄り駅は東山、八坂神社の近くで、川端の小径を入って入り組んだ先に店があるとのこと。

【深見家】
町中ということしか分かりません…

【花見会場】
有沢がうずくまっている正午を連れて帰った花見会場。有沢が「円山公園」と云っていました。

【氷川が凜一に見せたかった桜】
「若葉のころ」のラストで二人が見た桜はどこなのか?特徴は下記。
 明倫館のグラウンドより山に登る、私有地っぽい
→立命館グラウンドの奥に、「原谷苑」という恐らく個人所有の庭園があり、しだれ桜が見られるようです。このあたりではないかと。HPがありますので検索してみてください。

【三井寺】
氷川が兄と訪れたと云っていた寺。京都からは出てしまいますが、滋賀にあるお寺。京都寄りなので行きやすそうです。

その他

・蓼科高原:凜一と晟の思い出の場所。→長野県
・マサチューセッツ:展覧会の時、有沢の写真紹介に「Mass」とあったので、住んでいると思われる。父親は北米とも。
・竹雄:千迅の地元。実在しないようなので特定できませんが、特徴は下記。
 瀬戸内にある、山にメギがたくさん生えるほどの田舎、海辺の町(医院から前浜まで車で五分)、広島で在来線に乗り継ぐ

体格差

身長・体重・体格についてです。

【身長】
・最終予想
千尋170<晟175<正午≒有沢≒凜一175以上(凜一が高め?)<氷川180以上<暁方180以上
 ※千迅は不明だが、千尋と背丈が異なることから高め(180近く)だと思います。

(白昼)
※凜一が中3の時:氷川は180cm以上、凜一と20cm以上差がある
→凜一160cmいかないくらい、氷川180cmオーバー
※凜一が高1夏の時:背が伸びた凜一を見て正午が「前は同じくらいだったのに5~6cm差がある」と云う
→凜一165cmいかないくらい、正午約160cm

(碧空)
凜一:一年で10cm以上伸びた→175cmいかないくらい?
有沢:凜一よりやや高い→約175cm
暁方:高1で180cmは余裕であった→その後伸びていたら、だいぶ高い
千尋:すでに凜一に越されている→170cmくらい?

(彼等)
凜一:春の測定で175cmあったが、まだ伸びている

(若葉)
凜一:晟の背は越した→晟は175cmくらい?
正午:凜一に追いつく勢い→約175cm

【体重・体格】
・暁方以外の小椋家は痩身白皙
・そんな家系の千尋よりも凜一は痩せている
・正午は摂食障害のため、さらに痩せて華奢
・有沢はアメリカに行ってから筋肉質になったが、胸板は薄い

考察一覧

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意味深シーンを考える
飲み物・煙草・雨
好きな人ランキング・異母兄弟と凜一

・身体vs精神、像