冥途あり

冥途あり

これまでの作品の、いろんな部分が凝縮されたような印象でした。
真帆の父は、長野さんのお父さまに近い経験をされていたり(『八月六日上々天氣』から度々語られている)、昭和の風情や暮らしが静かに描かれている。
嘘か本当か分からない双子というのも、前後の真実と虚構が入り混じった作品群につながると感じます。

真帆(まほ):私
美江子:母
隆仁(たかよし):亡くなった祖父。
久恵:叔母(父の妹)。
梓、真(あずさ、まこと):双子の従弟。
一帆カズホ:兄。
千帆:一帆の娘。
ヒロ:祖父が名ずけ親になった。
鹿島百太郎(ももたろう):祖母の弟。カシマのおじさん。
航(わたる):双子の下の弟。
格之介:双子のどちらかの息子。
雲奈波(ななみ):まるせい湯の女将。
雲天光(そらみつ)/鈴木青一(あおいち):奈波の父親。
シルヴィオ:実家で飼われている仔犬。
清志(きよし):本物の天光の友人の息子。